『邪道』の世界観

この世は「天界」「人間界」「魔界」の三界で成り立っている。
その三界を創造した神を三界主天という。
天界よりも上にある界、最上界に住む神だ。
その三界主天が人間の歴史を導き、安寧を与える役として選んだのが 守護主天という神。
現在はティアランディアがその重要な役目を担っている。
ティアランディアはまだ最上界から天界に降りて来て、17年目――。
弱冠17歳の彼には守護主天としての役目よりも心が惑うことが多く、 その微笑み一つで地上に光をもたらすという顔を曇らす日々が続いていた。

――アシュレイ・ロー・ラ・ダイ――
ティアランディアの幼なじみであり、本当は誰よりも大切にしていた彼との不和が
憂いの日々の主たる原因だった。

「出会い」、「別れ」、「真実」、「責任」――。
ただ人よりも長い命を生き、神という役目に縛られることも多い少年が 他を恋し、様々な別れを経験しつつ成長していく。

「守護主天」に生まれてしまったがために、 自分のせいで人間の歴史が動いてしまうことの苦悩。
揺れ動く天界の四玉宝珠、ティアランディアとアシュレイ、柢王と桂花が開く運命の扉は、
幸福への扉なのか、別れと悲しみに満ちた破局への扉なのか……。

キャラクター紹介

『邪道』の中心人物達4人に、お互いのことを紹介してもらいました。
アシュレイと柢王がお互いを紹介して、ティアランディアと桂花がお互いを紹介してます。

アシュレイ紹介 アシュレイ・ロー・ラ・ダイ(紹介文:柢王)
国一番の最年少の元帥ってのは俺と同じだけど、コイツは南領の第一王位継承者だ。元服前の塾で、俺のひとつ下の学年にいた、シスコン(笑) すっげぇ姉貴びいきな奴なんだ。魔族狩りだけでなく、その気になればもっといろいろ出来る奴だと思うけど、こいつは公式の場に出て目立つのが、あまり好きじゃない。 それはたぶん、コイツの頭に、天界人は誰も持っていないツノが生えてるせいだと思う。でもアシュレイから魔族の匂いは全然しないから、確かに天界人なんだぜ、コイツは。 まぁ、コンプレックスなんざ、心から大切にできる相手が出来りゃ、だんだん消えてくもんさ。 そしたら、少しは俺の恋人兼側近の桂花のことも、認めてくれんじゃねぇかな。


守護主天・ティアランディア・フェイ・ギ・エメロード(紹介文:桂花)
守護主天殿は短く「守天」と呼ばれることが多いです。天界人の住む天空界では、最高責任者の地位にあり、地上の人間達の進化と平和を導くお仕事を、日々勤めていらっしゃいます。 額には緋色よりもほんの少し薄い色で、最上界の神の証しである「御印(みしるし)」があり、この印の力で大怪我を治せたり、ほかにもいろいろと素晴らしいお力をお持ちです。 吾がこれまで見た生き物の中で、もっとも美しい容姿をなさっていると思うし、彼は慈悲深く、心根も本当におやさしい。柢王以外では、天空界で、ただひとり、吾が信頼している人物です。 17歳と、まだまだお若く、周囲の理解を得にくいので、なかなかご自分の思うようには天界も人間界も治められないようです。 彼にはもっと、優秀な補佐官が必要でしょうね。でも今はなによりも、心からの休息が、一番必要なのではないでしょうか。


柢王
(紹介文:アシュレイ)
東の国の王家の三男坊で、俺と同じく、魔族を討伐する役目が筆頭の役職についている武将で元帥。ヘラヘラしてっけど、ま、俺とやりあえるくらいには強いぜ。霊力もどんどんレベルアップしてるしさ。ティアと俺の共通の幼なじみで、喧嘩友達で…親友なんだと思う…。だけど、こいつ、今じゃすっかり魔族の従者に骨ぬきにされちまっててさ。俺の言うことなんて、ちっとも聞かねぇ!! いつかは俺が目を覚ましてやりたいけど、今はこっちの言うことなんか聞きゃしねぇし、ティアまで桂花とコイツの関係では、肩を持つ始末だ。
あと、柢王は父親の蒼龍王似で、とんでもない(もしかして東領一の?)女好きだ。ガキの頃から女ったらしだったから、もう少しすりゃ桂花にも飽きて、テメェのバカさ加減に気がつくだろ。


桂花(紹介文:ティアランディア)
柢王が人間界で捕縛して天界に連れてきた魔族ではあるけれど、人間界では流浪の薬売りとして暮らし、人間を何度も救った実績があったので、 守護主天の名前において、天界で暮らしていけるように私がとりはからいました。 人間相手の薬だけでなく、天界の薬草を使っても質のいい薬を作れるし、今では本当に柢王を支えている強い味方です、彼は。 柢王が仕事で人間界に行くときは、私の居る天主塔に来て、私の秘書にもなってくれています。 (いかなる理由があろうとも、魔族は人間界には送れないので。これだけは仕方ない)天主塔の文官よりも記憶力はいいし頭の回転は早いしで、本当に助かっています。 天界の言葉を読み書きできるだけでなく、柢王の物忘れが激しい部分をフォローしつつ、鋭い洞察力で周囲から柢王を守っていると思います。 とてもよく気がつくし、桂花のあのやさしさは柢王が引き出したものなんだなと考えると、正直羨ましくなります。 彼の紫微色の肌には芸術的な入れ墨が、生まれたときから入っていたとか。色素の抜けた髪も、とても上品だと思いますね。 …アシュレイと犬猿の仲なのだけが、困ったものです。早く誤解がとければいいな。(苦笑)

『邪道』既刊紹介


◆講談社X文庫ホワイトハート(小説)    
邪道1 無限抱擁 上 邪道2 無限抱擁 下邪道3 天荒回廊 邪道4 苦海芳魂 邪道5 濮上之音 邪道6 恋愛開花
       
邪道7 比翼連理 上邪道8 比翼連理 中 邪道9 比翼連理 下邪道10 遠雷序章
以下続刊

◆角川書店 シエルコミックス(漫画)

全7冊・完結
(上段・シリーズ1〜6巻 / 下段・番外編 天網夜譚)